10月8日、iPS細胞を世界で初めて作製した山中伸弥・京都大学教授のノーベル賞受賞が決まったのはご存知の通り。
ところが、そこに、そのiPS細胞を使って心筋細胞を作り、重症の心不全患者への細胞移植を行ったとの報道が飛び出し、もう実用化は始まっているのかと思ったら、その森口尚史氏(下写真)の言い分、虚偽であるようで、山中氏の快挙にケチを付ける格好になっている。
そして、何より落胆しているのが、その“奇蹟の療法”を待ち望む患者だろう。
もっとも、森口氏は5例は虚偽と認めたものの、いまも1例は実際にやり成功したと言い張っている。
「本当に臓器移植を待ち望んでいるような患者からすれば、残りの1例も虚偽の可能性が高いと思いつつも希望を託したいところ。理論的には、機能を失った臓器でも、iPS細胞でその部分の細胞を補えれば回復できるはずですから。健常者からすれば、何をバカなと思われるかも知れませんが、必死の患者や家族にすれば、海外の○○病院ではすでにやっていると持ちかけられれば、藁にもすがる思いから話に乗る方も……。実は私の父自身、そうでしたから」
こう告発するのは、東京都新宿区在住のK氏だ。
K氏の父は今年1月に死去した。アジア某国にて心臓の臓器移植を受けたが、合併症で心筋梗塞を患った結果とのことだ。
そして、その前には「再生医療」も受けたという。
ただし、それはiPSではなく、ES細胞を使ったものだったのだが……。