東証2部上場「スルガコーポレーション」(本社・神奈川県横浜市)といえば、首都圏が地盤の中堅建設会社。大手ゼネコンに比べれば工事規模、知名度とも劣るとはいえ、近年、業績を急拡大させており、その躍進ぶりはめざましい。
だが、以前から岩田一雄社長のワンマンぶりに加え、きな臭い話も聞く。
「あそこは地上げを得意としている。それも、東京・銀座界隈などバブル時代にしこり、闇紳士が介入していたような物件でも平気で手掛ける。それで地上げ後、転売してあげる条件として、その土地でのビル建設を任せてもらうことがけっこう多い」(事情通)
いわくある物件といえば、有楽町2丁目のダミー会社を使った9階建てビル、銀座7丁目の「パールビル」、麻布警察署横の5階建てビルなど数多い。5階建てビルの前の所有者は、新宿歌舞伎町で44名の死者を出したビルと同じく「明星興産」だった。
それだけに、上場しているとはいえ、胡散臭い目で見る関係者もおり、昨年6月の同社の役員人事につき、当局関係者の間からは、なぜこんなところに天下るのかと疑問視する声も出ている。
(写真=「政財界」04年5月号記事)