十字穴ネジ(下写真)の代表メーカー、大証2部上場「ヤマシナ」(本社・京都市。横写真)が発行した新株予約権で得た利益、総額30億円に対し、東京国税局が申告漏れを指摘し、追徴課税は約10億円になる模様と「朝日新聞」がスクープしたのは昨年12月30日のことだった。
兜町では、この課税報道を契機に、複数の別の新株予約権発行上場企業でも、同様の課税がなされるのではないかと大きな話題になっている。
ヤマシナが新株予約権を発行したのは2005年8月。総額25億円以上発行されたが、注目すべきなのはその新株取得価格。発行直後、同社株は1単元株数1000株を100株に併合したが、取得価格は併合前の株価とほぼ同じ22円だった(併合後、株価は200円前後に。最大300円近く)から、その引き受け手は濡れ手で粟で大儲けしたと思われる。
直接、この新株予約権を引き受けたのは「エンジェル1号投資事業組合」(名古屋市。業務執行役員は「キャピタルネット」。代表・宮地春男)だが、そこから第3者割当を受けた約15の個人・企業が名古屋、東京、大阪などの国税局の税務調査を受け、申告漏れを指摘されたという。