「よってたかって、行政が弱い者いじめ。これでいいのでしょうか」「自分の家を壊されたら、どんな気持ちがしますか。私たちにとってテントは、ただのモノじゃないんです。一人でも生きていく知恵そのものです」。「両手両足をつかまれ、叩き出された。行政代執行は、二度と繰り返さないでほしい」――そう語るのは、来週にも竪川河川敷公園(東京都江東区)からの強制排除が迫られている、2名のホームレス当事者(冒頭写真)だ。
11月20日午後4時、参議院議員会館の会議室で、「竪川河川敷公園での野宿者排除と襲撃問題を考える記者会見」が開かれた。主催したのは、「山谷労働者福祉会館」などの支援者及び当事者だ。
この問題、本紙では今年2月の1回目の行政代執行(高齢のホームレス1名の追い出し)について取り上げたことがある。ホームレス側や江東区への取材もおこなってきた。また、この行政代執行に抗議した活動家・園良太氏の裁判も追って来た。
事の発端は、竪川河川敷公園の改修工事に伴い、江東区が、公園内に居住するホームレスの撤収を求めたこと。ところが、支援者によれば「話し合いで解決する」と交渉で約束したのに、区側はそれを一方的に打ち切り、2月に行政代執行をおこなった。
その後、ホームレス数人は公園内で改修工事が完了した部分に場所を移し、住み続けてきた。それに対し区側は「不法占拠者が工事を妨害している」として一帯を閉鎖。利用者が公園内を通行できないという異常事態が続いている。