連載3回目は、安倍晋三自民党総裁(下写真)の地元・山口県下関市に本部を置く指定暴力団「合田一家」(冒頭左写真=本部建物)との癒着疑惑だ。
合田一家の源流は、下関市議会議員を経て代議士(2期)にまでなった戦前の任客・保良浅之助まで遡る。警察庁によれば11年12月末現在の構成員は約160名、準構成員は約250名の計約410名。
むろん、昨今は特に暴力団との関係は政治家にとって致命傷になり得ることから、表向きは無関係を装っている。しかし、何かの拍子でその一端が間接的にしろ表面化することがごくたまにある。
この連載2回目で、別の指定暴力団「工藤会」(福岡県北九州市)が関与した安倍氏の自宅放火事件を取り上げた。安倍氏の国家老・江島潔下関市長(当時)の選挙支援に端を発していたわけだが、合田一家と工藤会は当時から友好関係にあるとされる。
そして、もっと直接的な合田一家との関係が表面化したのは05年8月のことだった。
好戦的な組織故、地元の下関市市議会では何かあっても関係を取り上げることはないが、この時、1人の市議が質問したことが契機となった。
市内のラブホテル経営者が、ホテルのすぐ前の市による河川護岸改修工事の際、振動などで建物に被害があったとして損失補填を受けたが、余りにベラボーな額だったことから、その市議はその工事の事前調査と契約内容の開示を求めた。
だが、驚いたことに、市は事前調査資料は「紛失した」、契約内容は。「開示できない」とした。前出・江島市長(冒頭右写真)当時のことだ。
だが、それも以下の補填内容を見れば無理もなかった。