5月2日に本紙でもお知らせしていた「原発いらない」渋谷デモだが、5月7日予定通り行われ、1万5000人(主催者発表)が代々木公園から渋谷一帯にわたってデモ行進をおこなった。菅首相による浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転停止指示も追い風になった。「原発いらない」「今すぐとめろ」の声が連呼され、サウンドカーに乗ったDJは重低音の効いた反原発ロックを流し、連休で沿道を通行する若者たちの注目を集めた。
ただ、沿道から見ると、大人数の割には多く見えない。それは警視庁のデモ規制が厳しく、1グループにつき500人程度の隊列に分断されたためのようだ。
そのため、集合地点である代々木公園で出発まで1時間以上も待たされた参加者もいた。「解散まで5時間かかった。こんな長いデモははじめてだ。正直疲れたが、沿道の人々の注目度が高く、手を振ってくれる人もいてやりがいがあった」とある参加者は語っている。
まったく平和的なデモであったにも関わらず、警視庁の規制は「はじめから異様にきつかった」(関係者)。警察への不満が高まるなか、代々木公園を出た五輪橋手前の交差点で、サウンドカーとデモ隊の間に機動隊がわりこんできたためもみ合いとなり、4名のデモ参加者が代々木警察署に連行されてしまった。そのうち2名の男女が公務執行妨害の容疑で逮捕され、2名は「誤認」として釈放されたが、釈放された人は帰り際、「これは極左のデモだ。二度と参加するな!」と言われたという。