去る9月5日、独立行政法人国立病院機構「帯広病院」(左写真)は、元勤務医A氏(37)の残業代をキチンと払っていなかったことを認め、和解した。
原告のA医師は、同病院で勤務していた2003?04年の間の残業代約875万円が未払いとして提訴していた。
A医師は実際には東京に出張したのに、病院側の記録では同病院で残業していたことになっているなど杜撰な記録が明らかになり、病院側は請求額の8割に当たる690万円の支払いを約束した。
和解とはいえ実質、A医師の勝訴といっていい。
なお、A医師はこうした杜撰な記録は虚偽公文書記入にあたるとして同病院職員を告発。しかし、釧路地検は今年3月、嫌疑不十分で不起訴としている。
帯広病院では今回の件の他にも、本紙でも既報のように、「医師の名義借り」で約4000万円の裏金を作っていたことが発覚している(右写真=発覚当時の草島勝之前院長。現・名誉院長)。
A医師は今回の判決にあたり、報道各社向けにコメントを発表している。
その内容をひと言でいえば、「奴隷労働」をさせられているという叫びになる。
しかし、虚偽の残業が少ない報告書を見た国、厚労省は実態を知らず、机上の空論のような政策を打ち出して来た結果が、今日の「医療崩壊」にも繋がっている。もちろん、同様の搾取が別の公立病院でもかなり行われている前提のことで、実際、A氏はその懸念があるという。
以下、そのA氏のコメントを転載しておく。