アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<記事紹介>モック、アライヴに見る「空費される資本(新興株市場)」(「日経新聞」。2007年10月5日、6日)

「日経新聞」が10月5日、6日連続で、新株予約権と株式併合を併合したマザーズ上場「モック」とヘラクレス上場「アライヴコミュニティ」の新興株市場とはいえ、上場しているからこそできる“錬金術”について、批判的な解説コラムを載せている。 この件、本紙ではモックに関してはすでに今年9月10日、 「モックの呆れ果てた10・1株式併合」、またそれに先立つ今年3月31日、 「『株式併合』を使った錬金術(軽貨急配、オックスHD、ヒューネット、アライヴ)」なるタイトル記事でこの錬金術自体を取り上げ、そのなかでアライヴが近く実施するとの情報があると報じた。正解だったわけだ。 そこで、改めてこの錬金術のカラクリについて見てみよう。 例えば10株を1株に併合(モックもアライヴもこの割合)するとすると、理論的には、株式の価値は併合しても変わるわけではないので、併合後、株価は10倍になる理屈。 ところが、 この併合と同時並行して出すとされた新株予約権の行使価格はといえば、モックの場合は併合前株価の約1・7倍、アライヴは約1・1倍に過ぎなかった。 アライヴの場合、併合後も株価は理論値通り、ほぼ10倍になっているから、新株引き受け手は実に9倍もの含み益を一挙に得たことになる。 これでは美味しくて、例えその後の株価暴落のリスクもあり得る赤字続きの“危ない上場企業”でも引き受け手が現れるはずだ。 それどころか、本紙既報のオックスホールディングスのように、実際には経営陣側が新株予約を引き受け、安い費用で一挙に大株主になって経営権を奪い返すための手段に利用しようと考える者だった出て来て不思議ではない。 いずれにしろ、既存株主は株式の大幅な希薄化、それに株価暴落のリスクを負うわけで、こんなことが本当に許されるのかと思うのだが、ルール上、禁止事項はない。 もちろん、重大なことなので株主の3分の1以上が出席し、その3分の2以上が賛成する「特別決議」を経なければならない。 だが、その新株予約権で資金を調達しないと会社の再生はない=倒産の危機をチラつかされたら既存株主としては株券が紙くずになるよりはマシと泣く泣く同意しないわけにはいかないだろう。 モックの場合を見ると、それ以前の資金調達で生田澄子女史に引き受けてもらっているのだが、関係者は「ともかく金融や証券筋は生田氏=暴力団周辺者と見なし、これでモックはいよいよ危ないと判断した。長いスパンで見たら、逆に自分で自分の首を絞めたといってもいい」と明かす。 だが、その決断をした創業者兼社長の山田信房社長は今回の錬金術後も、ここまで資金調達が厳しくなった責任を取って辞任する様子はない。 結局のところ、手数料など儲けのため、証券取引所、証券会社等がいい加減な企業も含めて新興株市場に上場させたツケが来ているわけで、ならば、こうした企業を撤退させる規制を早急に設けることも一つの選択肢ではないか。 本来、上場に値する経営力、倫理性などを持ち併せていない企業まで上場を認めてしまった以上、上場時の審査を厳しくするだけでなく、上場してしまっている企業の上場維持基準も厳しくしないと、いつまで経っても新興株市場の信頼回復=再生はあり得ないのではないか。 ただ、既存株主が悲惨といっていても、何の解決にもならないはずだ。…

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