アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

<主張>本紙は1年前に警告ーー悪徳マルチ商法「L&G」に見る大手マスコミのお手軽報道(元警視総監も広告塔に)

 去る10月3日、独自の電子マネー「円天」を売りに約5万名から約1000億円を集めていた健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」が警視庁等の合同捜査本部に、出資報違反(預かり金の禁止)容疑で東京・新宿の本社(右写真)など家宅捜索を受けたのは大手マスコミ既報の通り。  事前リークが警察側からなされ、数日前から突如、同社に関する疑惑報道がされるようになっていたが、本紙はすでに1年近くも前の昨年11月26日に問題になると警告していた。  その時のタイトルは、「活動を続けるマルチ・ジャンキーーー近未来通信に続き、銀座を舞台に『円天』でも」。  何を今更というのが、率直な感想だ。  このタイトルにもあるように、かつてマルチ商法で味をしめた連中はそれが忘れられず、シャブ中患者のように、また品を代え、合法を装ってこの手の詐欺商法を繰り返す。  同記事で指摘しているように、「L&G」の波和二会長(左写真。「日経」10月3日夕刊より)は、わが国に悪徳マルチ商法が上陸した1970年代に猛威を奮った「APOジャパン」の最高幹部だった。  確信犯であるわけで、したがって、同社の手法が怪しいことは、多少なりとも取材すれば直ちに判明することだった。  それにも拘わらず、これまでまったく調査報道せず、被害者が続出し、警察が腰を上げたところでようやく報道する。  それだけなら、すべて警察に任せればいい話。事件化する前に調査報道で持って警告することこそが、マスコミの本来の使命ではないのか。  また、同じく言っておきたいのが、この手の商法が必ずといっていいほど利用する有名人の節操のなさ(上写真=「円天」市場に登場していた芸能人の一部)。  いくら商売だからといっても、最低限のチェックはすべきだし、ギャラが破格なら疑ってかかるべき。近未来通信もそうだったが、そうしなければ共犯との批判を受けても申し開きできないだろう。  いい加減、「私も被害者」なんていう嘘みえみえの台詞には批判的報道をすべき。だが、これまたグラビアなどに起用させてもらう芸能プロダクションとの関係から、大手マスコミは指摘できないところが多い。  一方、警察の摘発に関しても疑問点がないわけではない。  今回も警視庁等が捜査に乗り出したのは、旧来型の悪徳マルチ商法の変形に過ぎない。 これに対し、近年、幅を利かせているのが投資ファンドを装った詐欺商法だ。  特に本紙既報の「インペリアルグループ」のケースは、元本保証をしっかり謳っていた。悪質度は高いし、被害総額も約200億円と決して小さくない。  だが、警視庁では告訴状が出ても受理を拒み続けている。その理由だが、 「舞台の主体が海外なので手間が掛かる。もっと露骨に言えば、捜査能力が追いつかない。それより、捜査実績のある旧来型の方に着手した方が簡単で、かつ世間受けがいい」(警視庁関係者)  ここにもまた、お手軽さが見え隠れするようなのだ。  おまけに、元とはいえ、取り締まる側だった警視庁元トップ、井上幸彦元警視総監(横写真)が、L&Gの信用性を高めるために大きな役割を果たした関連NPO法人「あかり研究所」(「内閣府からお墨付きをもらっている」などと言って)の顧問に就いていた。呆れる他ない。  もちろん、銀行金利が年1%以下の時代に、30%(L&Gの場合。インペリアルは8%)と謳うこと自体、まずあり得ない話で、被害者自身の詐欺を見抜く能力アップも必要であることは言うまでもないが、この手の事件報道を見て、何となく白けてしまうのは本紙だけではあるまい。 (下写真=L&G本社の看板。ビルは賃借)…

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