11月30日発売の会員制情報誌『ベルダ』(発行・ベストブック)が、都知事選に立候補している猪瀬直樹氏の大宅賞受賞作『ミカドの肖像』につき、ネタ本があったのに、それを参考文献にした記載が一切ないと3Pの特集記事を掲載している。
猪瀬氏は86年12月に出版されたこの著書で注目され、出世階段を上がって行った。この著書がなかったら、今日の猪瀬氏はないといってもいいほどの重要な作品だ。
詳細は同記事をご覧いただきたいが、この記事の信ぴょう度は高い。というのは、このミカドの肖像のデータマン(同書は『週刊ポスト』で連載したものをまとめたもの)を勤めた池田房雄氏が今回のベルダ記事にコメントし、猪瀬氏にネタ本を渡したこと、参考文献に上げないのはマズイと苦言を呈したと語っているからだ。さらに、『噂の真相』(休刊中)で佐高信氏が猪瀬批判をしたところ猪瀬氏が反論文を同誌に寄稿(95年9月号)。そのなかで、自分のミカドの肖像が出るまで西武グループや堤義明氏に対する批判的記事は一切なかったと自画自賛したものだから、これまで黙っていたネタ本著者がさすがに激怒し、翌10月号の「読者の場」にそのネタ本著者のいい分が掲載されたというのだ。