アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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世界的食品企業「ネスレ」のわが国における“無法実態”につき、本日の衆議院で国会質問が(報告)

大変遅くなってしまったが、先に本紙でもお伝えした、6月6日の衆議院外務委員会での質疑につき、以下、転載する。  笠井亮委員(共産党)の質問に対する、外務省を始め厚生労働省、経済産業省の各審議官や麻生太郎外務大臣の答弁を通じ、世界的食品企業「ネスレ」(左写真=「ネスレ日本」代表取締役会長兼社長のクリス・ジョンソン氏。右写真=兵庫県神戸市の同本社。下写真=ネスレのロゴ)が1995年に最高裁判決に反して団交に誠実に応じず、また、各地の労働委員会や裁判所で幾度も不当労働行為等について是正命令や判決で断罪されながら違法行為を繰り返している実態が、国会という国権の最高の場で白日の下にさらされた。 ○衆議院外務委員会質疑(ネスレ争議関連の概略) 2007/6/6 11時15分頃?31分頃まで 笠井亮議員  経済のグローバル化が急速に進む中、多国籍企業の行動をめぐって質問する。今日、さまざまな国の大企業が母国以外の国で多国籍企業化している。麻生外務大臣に伺いたい、OECDの多国籍企業の行動指針を定めた理由と意義にについて。また、外務省の取組について。 麻生外務大臣  多国籍企業は巨大なもので、一国を上回る経済力を持っている。その企業は、各国への大きな影響を与える。責任ある態度を取ってもらうのがまず基本。その行動指針の内容は、情報の開示、労使関係、環境問題、雇用及び消費者利益など幅広いもの。多国籍企業に対して、自己利益だけでなく、責任ある行動を求めている。拘束力はないが、少なくとも自主的に実施されることが求められている。OECD加盟国としても、実施が期待されているところだ。 笠井亮議員  そこで、具体的な問題に移る。国際企業でネスレという、本部をスイスに置き、日本ではネスカフェという商品を製造販売している。ネスレ日本は、2005年度2500億円を売上げ、2500人の従業員を持つ大企業です。ところが、このネスレ日本は、かなり以前から、つまり1982/3年ごろにかけて労働組合に支配介入して、乗っ取ろうとして失敗。そして、インフォーマル組織をつくって分裂させた。その後、第一組合とその組合員に対して無法な限りの人権侵害や暴力行為、不当解雇や不当労働行為が依然として続いている。例えば、2006年10月最高裁で不当解雇は無効とされた霞ヶ浦工場の二人の組合員は職場に戻されはしましたが、会社から一切謝罪もない。ひとりはゴミ集めを、もうひとりの方も補助業務にしか就かされず差別扱いを受けている。この会社はヒューマンカンパニーということを看板にしているが、正に逆のことをやっている。とても本国ではできないことを日本でやっている。そういう実態がある。ここに厚生労働省もいると思うが、このように20数年にわたる異常な事態を承知しているか伺いたい。 草野大臣官房審議官  この件に関しましては、ネスレジャパン社の労組であるネッスル日本労働組合から平成18年5月に、親の介護を抱える労働者の遠隔地への配転や、労働組合の役員解雇問題などが生じており、従業員の意見が尊重されていないなどを理由に、多国籍企業行動指針に違反しているとして、同指針に関わる日本の連絡窓口としての厚生労働省、外務省、経済産業省への申し立てがあったと承知している。 笠井亮議員  今、申し立てがあったとの答弁だが、2005年8月にネッスル労組が兵庫労連や全労連との連名で、ナショナルコンタクトポイント(NCP)へ多国籍企業行動指針に違反しているとして、正式に文書で申し立てたのは、もう2年も前のこと。ネッスル労組は地労委や中労委へ仲裁を申立て、その多くが認められて救済命令が出されている。最高裁の判決も出ている。これに対して、会社側が地労委や中労委の救済命令の取り消しを求める行政訴訟を乱発して時間稼ぎをして、正常な解決を徹底して遅らせる態度を取ってきた訳であります。そこで、申し立ての中で労働者側は日本政府の窓口であるNCPがOECD理事会決定の手続きに従って、当事者を含む関係者との協議の場を設定すること、関係国NCPと協議を行うこと、問題解決の調停を行うこと、合意できない時は勧告することを求めている。私も見ましたが、全く当然の申し立てだと思います。そこで厚生労働省に伺うが、申し立てから2年も経つが、これまで申し立てを受けて、どういうアプローチをしてきたのか。 草野大臣官房審議官  先ほど申しましたように、日本の連絡窓口への申し立ては平成18年5月に正式に受理。それ以降、労使双方の意見などを聞いているところでございまして、今後同指針にかかる手続きにのっとりまして、本事案の解決に向けて努力してまいりたいと考えております。 笠井亮議員  申し立ては2005年8月でしょう。 草野大臣官房審議官  平成17年8月にNCPに申立書を持参されたが、文書の内容整備を依頼し、平成18年5月に正式受理でございます。 笠井亮議員  いずれにしろ、2年も、1年もかかっている。外務省に伺いますが、このような不当労働行為や人権侵害などでは一般的にいって、OECD多国籍企業行動指針に抵触するのではないか。 草加大臣官房審議官  お答え申し上げます。多国籍企業行動指針につきましては、政府・外務省としても重視しておりまして、これが遵守されるよう充分努力してまいりたい。そして、この行動指針の実効性を促進するため外務省、経済産業省、厚生労働省の三者におきまして連絡窓口、NCPを設置してございます。実は、委員がおっしゃる通り申し立てを受けて、政府として窓口においてOECD事務局にも既に連絡致しております。各、当該労働組合、或いは企業から意見・状況をお聞きして、色々情報交換も致しております。直近のことでは、この5月に我が国の年次報告書にこの問題に対して日本政府が取り組んでいる旨の報告済み。6月に行われるNCPの年次総会でこれが回覧される。 笠井亮議員  抵触するかしないかという問題と、同対応していくのかという点については、もう少し具体的に答えてください。 草加大臣官房審議官  ここは双方の言い分がかなり食い違っている。また裁判も現在継続中のものが幾つかあり、かなり慎重に事実関係を見極める必要がある。先の報告書において取り組んでいるということだが、まだ結論が得られたということではないのです。 笠井亮議員  ネスレにおいては今年に入っても由々しい問題が起きています。すでに地労委・中労委を含めて救済命令や判決も出ているのですが、それも実施されていない。2007年ネスレはグローブという世界中のネスレを結ぶコンピュータシステムを導入した。各国にある本社、工場、営業所にネットワークをつくって業務を行っている。工場で製品を出荷するときもグローブというネットワークへのアクセスが必要なのですが、全ての社員が固有のIDを持っている。私も実態を聞いて驚いたが、第一組合の組合員がアクセスすると、「貴方は権限がありません。」と拒否をされて、仕事を進める為には、近くにいる別の社員にアクセスを頼まなければ一切の仕事が出来ないという実態です。つまりこの職場は、全ての労働者に与えられている条件が一部の労働者には適用しないということ。しかも何の合理性もなく、あるのは差別的扱いだけ。厚生労働省に伺うが、これは労働者の均等扱いを定める労働基準法第3条に違反しているのではないか。早急に調査を行って是正すべきだと思う。 森山大臣官房審議官  労基法3条では、使用者は労働者を差別してはならないと定めている。その扱いは個別的、具体的に判断すべき。本件事案に関しては、個々対処していきたい。 笠井亮議員  最後に大臣にお伺いしたい。企業活動のグローバル化が増える中で、多国籍企業とその国の労働者とのトラブルが発生するし現にあると思う。従ってILO条約や多国籍企業行動指針の遵守がますます必要になってくると思うが、その事について答弁願いたい。 麻生外務大臣  国によって慣習も違い、生活水準、労働環境いろいろ違いもあるが、連絡窓口が必要。経済産業省、厚生労働省、外務省で調整して臨んでいきたい。 (写真=ネスレの代表的商品)…

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