アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<書籍紹介>『民主主義は機能しているか?』(杉原佳尭。英治出版)

「失われた10年」以後、行政・財政、地方自治から教育に至るまで、様々な分野で「改革」が切実に求められて来た。政治家では小泉純一郎や田中康夫が「改革」の旗手として登場し、旋風を巻き起こした。2人とも退場した今、その「改革」の中身と方法は正しかったのかが問われている。 元・長野県知事特別秘書として知られる筆者は、本書のなかで、小泉・田中「改革」を振り返り、ポピュリズム的手法を持った「劇場型政治は終わらない」と結論づける。なぜなら利権分配型の派閥政治は再生しないため、政権奪取・維持のためには有権者の支持が不可欠だからだ。 しかし劇場型政治は多くの問題をはらんでいると言える。政治家のイメージ戦略や「わかりやすい」主張の反復は、大衆操作であり、真の民主主義とはほど遠いからだ。 では、いかにして「改革」は進められるべきか。そのためのヒントが、この本の至る所に散らばっている。 「・・・改革のもつ本質的な意味とは、市場の歪みをもたらす富の偏在を元通りに戻すというより、新しい分野へ派閥的な利益を求めて橋渡しをすることなのである。強大な利権者の存在を阻害し、自らが「正しい」と信じる人たちへの利益配分を目指すべきであり、改革者の誕生はそれに立脚すべきという結論になる」(「改革が成功しない理由?」より)。 筆者は地方政治の動向や、IT社会と民主主義の関係にも詳しく、アメリカ留学経験もあるので日米を比較する視点も持っている。成熟した市民の存在が真の民主主義社会の条件であるとすれば、本書は市民が政治意識を高めるためには格好のテキストであり、入門書と言えるだろう。価格は800円+税 (著者プロフィール) 1965年大阪市生まれ。田中康夫知事(当時)のもと県政の中枢で勤務。現在、インテル事業開発本部政府渉外部長。専門分野は政治経済学、特に規制改革、公共選択、移行経済学、公共経済学、経済史。最近は地方分権と行政のIT化に研究の焦点を合わせている。(著書略歴より)…

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