前代表が特別背任容疑で逮捕(ただし無罪に)されたり、ベトナム向けODA案件の贈収賄事件が発生。その一方で、米軍普天間基地移転予定の沖縄県辺野古地区での仕事を早々に受注したり、中国遺棄化学兵器利権絡みで蠢くなど、経営陣の腐敗と、政府との一体ぶりが目立つ世界的建設コンサルタント企業「パシコン」(冒頭写真は本社。東京都多摩市)ーー。
上場こそしていないものの、建設コンサル専門企業としては堂々世界第3位だったこともあるこのパシコン、本紙読者なら、本紙との名誉毀損訴訟(本紙が全面勝訴)、また山岡の自宅放火事件の件などで徹底追及していたからよくご存じのことだろう。
そのパシコンが今度は、先の東日本大震災の岩手県釜石市(横右写真は市役所。左は野田武則市長)のガレキ処理で、地元企業が主体になった復興も兼ねた計画に横やりを入れるかたちで暗躍していることがわかった。
関係者が証言する。
「パシコンがガレキ処理をやるわけではない。あそこはコンサル屋に過ぎませんから。結局、多大な仲介料を取られるだけ。しかも、パシコンが仲介して連れて来るのは中央の大企業ばかり。そうなると地元企業は下請け、孫請けで入らざるを得ない。
今回は大震災という異常事態で、しかも地元零細企業は大打撃を受けている。こんな時さえ、地元企業主体の工事という当たり前の理屈がなぜ通用しないんでしょうか。嘆かわしい……」。
パシコンといえば、安倍晋三元首相の地元・山口県下関市役所の建設コンサルを独占したこともあった。その際も中央の大企業ばかり連れて来て、地元企業から不満の声が出ていたのを思い出す。
それにしても、なぜ、釜石市にパシコンなのか。それには、少々説明がいる。