わが国で最大勢力を誇る暴力団・山口組のなかにあって、最大勢力の「弘道会」(本部・名古屋市)の有力資金源ではないかと見て、その裏づけ捜査をやっていたところ、地元・名古屋に本拠地を置く風俗店グループ、通称「ブルーグループ」の実質的経営者であるその佐藤義徳被告(55)の指示により脅迫電話を掛けられたとする前代未聞といってもいいこの事件、本紙ではウォッチしているが、第2回に続き、去る5月28日、名古屋地裁において第3回公判があり、検察側証人として佐藤被告の元交際相手K女史と、元警官W氏が法廷に立った。
本紙でも既報のように、その3日後には、佐藤被告の代理人弁護士だった城正憲容疑者(横写真。65)が犯人隠避容疑で逮捕され、そちらに話題が集中している感があるが、この第3回公判では、K女史は佐藤被告が脅迫したとされる警部を「血祭りに上げてやる」といっていたとか、警部の2人の子どの写真を持っていたなどと証言。一方、W元警部は現役時代に佐藤被告から850万円借り、捜査情報を流していたし、自分が知っているだけでも「10人未満」と県警の内通者が複数いたことを示唆するなど、重要で生々しい証言が続いた。
そこで本紙では2回に分け、証人尋問の詳細をお伝えする(重要と思わない箇所は省略。一部要約)。
今回は先に証言台に立った元交際相手から。
なお、佐藤被告はこのK女史に対する傷害容疑で先に逮捕されたが、1億円払って示談している。それほど高額を佐藤被告が払ったのは、今回の警部脅迫事件について知る彼女に対する「口止め」の意味もあったと県警は見ているようだ。また、それにも拘わらず、彼女が検察側の証人として立ったのは、あえて表に出ることが“身の安全”に繋がると判断した結果との見方もある。
ちなみに、彼女の証人尋問は、別室にいる彼女と、マイクとカメラでやりとりする(カメラは傍聴人は見えない)やり方で約1時間行われた。
まずは主尋問(検察側)
ーーあなたはいつごろ佐藤義徳と交際していたか?
「H21年5月ころから、H22年8月ころまで」
ーーK警部の名前を聞いたことがあるか?
「複数回聞いたことがある」