本紙既報のように、内紛の続く防衛省A級入札業者「山田洋行」(本社・東京都港区)だが、こうしたなか、ついに事業に重大な支障が生じたようだ。
同社がわが国の防衛利権に預かれるのは、別に技術力があるからではない。
防衛省と海外の軍事関連メーカーとを仲介するのが仕事。「ロッキードマーチン社」(米国)、ノースロップグラマン社」(同)などとの間で代理店契約を結び活動している。要するに、「商権」を持ったブローカーなのだ。
そして、同社においては、防衛省が2011年から順次、航空自衛隊の輸送機を買い換える予定のなか、後継機はC-Xなる機種で内定、そのエンジンをGEから同社を通して納入してもらうことで大きな利権に預かる計画だったことは、本紙でも以前、述べた通り。
ところが、GE側にしてみれば内紛が起きているような山田洋行をわざわざ通す義理はないということだろう、ビジネスライクにそのリスクを懸念し、同社を使わないという連絡がつい最近、GEから山田洋行に対してなされた模様だ。