連載1回目で、朴茂生元税理士(法人としては元代表の「ニックス租税研究所」=東京都千代田区=などがある。冒頭写真はそのニックスの入居ビル)を狙い、国税当局が6月から関係先に税務調査に入っていることがわかったと本紙は報じた。
関係者が解説する。
「朴税理士は40数社ものパチンコ企業の税務顧問をやっており、彼が考案した“Sスキーム”なる独自の手法でこれまでに顧問先が納税を逃れた総額は数千億円にもなると見られます。これら顧問先パチンコ企業のなかには、グループ年商が1000億円を超えるような大手もありますからね。
これを摘発できれば巨額の税収が見込めるだけでなく、以前からグレーとされるパチンコ業界に対し一罰百戒の効果も期待できますから」
朴氏やニックス租税研究所の知名度こそ低いものの、国税当局の威信を賭けての、近年稀に見る大型案件といってもいいようだ。
もっとも、朴氏は税務のスペシャリストだし、国税当局にやられることは死活問題だから準備は怠りなく、そのハードルは決して低くない。
本紙がその疑惑を指摘したところ、記事削除の仮処分申立、そして本訴を行って来たことはこの連載1回目で述べたが、いよいよ当局が動き出したなか、実は朴氏側は墓穴を掘りかねないある過敏な反応をしていた事実を本紙は掴んだ。
ある顧問先企業の登記住所を、東京国税局管轄外へ移した件だ。