本紙は今年4月、東京はJR渋谷駅南口近くの再開発地区で、違法な地上げが行われている実態を2度に渡り報じた。
唯一、本紙が報じていたものだが、その指摘通りの暴力行為法違反容疑で、警視庁渋谷署は7月17日、広域暴力団・住吉会系組員など4名を逮捕した(冒頭写真記事=「毎日」7月17日夕刊)。
立ち退き交渉にまったく誠意が見られないことから、日焼けサロンを営業していたオーナーが立ち退きを拒否ししていたところ、戻って来たら、その雑居ビル(横写真2点とも)の1階入り口ドア(前述の横左写真黄色円部分)が無くなっていたというのだから、地上げ屋が暴れ回っていたあのバブル時代を思い出させる何とも強引な手口だった。
さらに、当時の管理会社社長は、立ち退かないでいると火事が発生する旨の発言をし、暗に脅してもいた。
こうした行為は昨年末から今年3月ごろまでに続いたとされるが、日焼けサロンのオーナーは当初から、渋谷警察署に相談していた。それにも拘わらず、こんな単純明快な犯罪行為でありながら、なぜ、事件化するのにこんなにかかったのか。その経緯を振り返ると、不可解なことが思い浮かぶのだ。
日焼けサロンオーナーの友人が証言する。
「渋谷署は当初、まったく取り合ってくれませんでした。ところが、お宅(=本紙)が動いてくれ、このビルの所有権をその後、得た(東証1部の)○○不動に取材を入れてくれると態度が一変、その翌日、もう電話がかかって来て、調書を取らせてくれ(それまでは口頭による訴えのみ)となったそうです」