今年1月29日、例のNHK番組(NHK教育テレビで01年1月30日放送の「ETV2001 問われる戦時性暴力」)改変問題を巡る訴訟の高裁判決があり、孫請け番組制作会社だけに100万円の賠償請求があるとした一審判決を変更、「憲法で保障された編集権限を乱用または逸脱した」としてNHKにも200万円の賠償を命じたのは大手マスコミ既報の通り(NHKは上告)。
この高裁での判決変更に、大きな役割を果たしたのが長井暁前NHK番組プロジューサー。
原告で、この番組作りに協力した「バウネットジャパン」の代表自ら、高裁判決後の記者会見で、「(長井氏の)内部告発で山が動いた」と述べていることでも明らかだ。
バウネット代表によれば、高裁は一審判決維持の方向だったが、結審直前の05年1月、NKHに新設された「通報制度」に基づき長井氏が内部告発。これにより、長井氏等NHK幹部が新たに証人として出廷し、流れが変わった。
出世など考えれば損だが、「報道の自由」を守るために勇気ある告発をしたわけだ。
ところが、それを認める高裁判決が下りながら、未だに長井氏は「窓際の日々」と同記事(写真)は報じている。
それは、この番組改変で、安倍首相等の政治的圧力があったとする記事を書いた、朝日新聞の本田雅和記者も、本紙既報のように同様だ。