9・11事件が「自作自演」との説があることは、本紙でも既報の通り。もっとも、最低限の裏づけがないと記事にしないことを基本としている本紙としては、この説は未だ想像の域を出ないとしかいいようがない。
だが、著者はそう断定した上、あの世界貿易センタービルを崩壊させたのは“水爆”だともいう。
事件当時、周辺にいた者の多くがその後、癌になっているのもその有力証拠だというのだが、そのデータはネット上で拾ったもので、しかもその大半は匿名であるようで、そうなると本紙としてはもはや理解不能だ。
したがって、本書はいわゆる陰謀史観の度合いが強いと言わざるを得ない。
だが、それでも取り上げたのは、部分的な記述のなかには、「さもありなん」と思わせる独特な捉え方があり、多くのヒントを提供してくれるのもまた事実だからだ。それにタブー視されているユダヤ、在日、同和、暴力団、カルトなどの背後に隠された諸問題に果敢に挑むその心意気は買えるからだ。