アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

問われるネットの匿名性の在り方(本紙・山岡も被害)

 本紙は2006年8月28日号で、ネット上の巨大掲示板「2ちゃんねる」を主宰する西村博之氏に対し、債権者側から破産申請の動きがあると取り上げている。 こうしたなか、ついにというべきか、「毎日新聞」が元旦号から「ネット君臨」と題した連載を開始した(上写真)。 元旦号は各紙、かなり前から独自取材をし、スクープ合戦を行うのが恒例。今年は何かと思っていたら、「毎日新聞」はインターネットの功罪を取り上げた。しかも、同連載が巻頭を飾る入れ込みようだ。  具体的には、前出「2ちゃんねる」に、娘の臓器移植手術のために新聞各紙に募金を求める記事が出た件につき、「死ぬ死ぬ詐欺ですか?」といった心ない書き込みが行われただけでなく、その家族の自宅登記簿や写真まで掲載され、「祭り」状態になったという内容。 さらに2面には、前出・西村氏に対し、名誉毀損や書込削除命令無視などで総額5000万円ほどの賠償命令が下りており、また、同氏は1億円を越える収入がありながら、未だに一切支払いを行っていないとの本人コメントが掲載された。 (下写真=本紙・山岡等の西村氏に対する訴状。詳細は以下に)  3面では、その西村氏の顔写真と共に、「これがネット(だから)仕方ない」と開き直っているとも取れる同氏へのインタビュー記事が掲載された(写真)。 これまで、ネットといえば、匿名が基本で、だから自由に書けていいといった、どちらかといえば評価する論調が優勢だったように思う。だが、ネット人口の急増と並行し、ますます匿名性にかこつけた無責任な罵詈雑言の類が氾濫するようになっており、「毎日新聞」は先の「サラ金」に続き、「ネットの功罪を問う」キャンペーンを開始。その罪の部分の具体例として、まず2ちゃんねるの西村氏を上げた格好だ。 これに対し、本紙が関心を持ったのは、そもそも武富士追及の際、2ちゃんねるに本紙・山岡や仲間を誹謗中傷する記事が掲載されたことから、同記事発信者に関する情報開示を求めて提訴(2003年11月26日)したところ、西村氏は当初、訴状を受け取らないなど、その無責任な態度に違和感を持ったのが契機。情報開示は認められたが、今度は情報開示しないことから、実施しないなら1日経過毎に3万5000円をこちらに支払わなければならないとする間接強制決定の判決を新たに得た。すると、西村氏はようやく情報開示を行ったが、その内容からは残念ながら武富士側が書き込んだとの証拠を得ることはできなかった。 その件は本紙前身の「東京アウトローズ」(現在もたまに発信しているようだが本紙とはまったく無関係)で山岡が報告したことがある。そこで、以下その部分を転載する(2004年8月29日号のミニ情報欄より)。 ●本誌・山岡編集長等を誹謗中傷する内容を掲示させていた「2ちゃんねる」、発信者情報開示をせず、間接強制決定! 発信者が武富士関係者であることが、いよいよ明らかになる!? <武富士盗聴事件の渦中、昨年(03年)5月から7月にかけ、本誌・山岡や同じく同事件を追及していたジャーナリスト仲間の寺澤有氏等を「ブラックジャーナリスト」などと誹謗中傷する内容が、インターネットの電子掲示板「2ちゃんねる」上で書き込まれていた。このため、山岡等はこの書き込みをしたのは武富士関係者と睨み、プロバイダー責任法に基づき、掲示板管理者に発信者情報の開示を求めていた。 要するに、やはり誹謗中傷し、この間、山岡により名誉毀損容疑で東京地検に刑事告訴している「政財界」同様、武富士の意を汲んだ「メディア攻撃」の可能性大なのだ。何しろ、武井保雄被告自身、「2ちゃんねる」とほぼ同時期、武富士HP上に誹謗中傷記事を書き込むように指示し、その名誉毀損容疑で公判中なのだから。 もっとも、この訴訟はすでに今年5月7日に判決が下り、東京地裁は書き込んだ人物のパソコンが識別できる「IPアドレス」の開示を命じている。また、菊池洋一裁判長は書き込み内容を「名誉棄損」と認定している。 ところが、「2ちゃんねる」を管理する債務者・西村博之はこの判決を無視し、未だに情報開示をしないため、山岡等は新たに申し立て、8月24日、今回決定が下りた次第。 この結果、今後、情報開示が履行されるまで、債務者は1日につき計3万5000円の不履行による「ペナルティー」を払わなけれ ばならなくなった> なお、西村氏に関するまとまった記事としては、すでに『AERA』の2004年7月12日号がある(「巨大掲示板の徹底解剖と行方」)。同誌はさらに2006年10月16日号で「『失踪』管理人に直撃 迫る2ちゃんねる破産宣告」とのタイトルで追加報道してもいる。 ともかく、こうした報道を契機に、ネット記事の匿名性の在り方について考えるのは有意義なことだろう。…

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