「朝日」は4月2日、「東京慈恵会医科大学付属病院」(東京都港区)で大動脈瘤の手術を受けたものの死亡した男性(当時74)の遺族が、慈恵医大と手術を担当した医師を相手取り、計約8700万円の損害賠償請求訴訟を3月31日付けで東京地裁に提起したと報じている(=冒頭写真)。
遺族は、担当医師は十分な説明をせず、死亡した男性に適さない未承認の医療機器を使って死に至らしめたためと主張しているという。
同記事では、この担当医師の名は明かされていないが、慈恵医大関係者によれば、それは大木隆生教授(横写真)のことだという。
そう、本紙既報のように、「神の手」とも呼ばれ、マスコミに取り上げられたこともあるカリスマ医師ながら、一方で問題視もされていた。また、大木教授といえば、ノバルティス事件でトップとしての責任を求める声が大学内でも出ている栗原敏理事長自らが米国から母校の慈恵に迎え入れた人物でもある。
「朝日」記事を見る限り、医療ミスを巡る民事訴訟の一つに過ぎないと映るかも知れないが、この背景には実に奥深い様々な要素が絡んでいるようなのだ。