東証1部、化粧品と不動産販売の「エコナック」(本社・京都市)といえば、本紙既報のように、44名もの焼死者を出したビル管理責任を問われ、有罪判決を受けた瀬川重雄氏(66)が実質、経営権を取得している会社。
何しろ、一度に44名の焼死はビル火災では戦後、わが国5番目の多さだけに、瀬川氏としても同ビル土地(約28坪。名義は瀬川氏系企業=「久留米興産」だった)を早く処分したかっただろうが(被害者遺族への和解金支払い額は総額8億6800万円。一人約2000万円)、やはり縁起が悪いということからなかなか買い手はつかないし、、ついても足元を見られて買い叩かれかねない。その点、息のかかったエコナックなら言い値で買ってくれるーーそういう取引だったのでは、と思われても仕方ないだろう。
ちなみに、1998年には消失したビルも含め、6億円の抵当権が設定されていた(以下にその謄本転載)。
(冒頭左写真=「日刊ゲンダイ」01年9月5日号。同右=現在の現場。更地ののままで建築工事予定看板もなし)