本紙は10月30日、警視庁が10月3日、指定暴力団・住吉会系の組長らを弁護士法違反(非弁活動)などで起訴した事件を報じている。
逮捕された組長らは、過払い金返還請求の顧客を近藤利信弁護士(書類送検、起訴される)に紹介し、手数料を受け取るに当たり、弁護士法違反に問われないようにするため、「エレメントホールディングス」(東京都港区)なる広告会社は純粋に近藤被告の広告(弁護士法改正により、弁護士も広告を打てるようになった)のチラシなどを請け負っているとしていた。だが、実際にはそれだけでは到底あり得ない高額の報酬が、このエレメント社には支払われていた。
高額なのはむろん、そのなかに組長や、組長の友人のエレメント社の平田稔社長(同社の廣畑俊久取締役もそうだが、すでに昨年、当局の捜査を察知し、平田社長共々、タイに逃げている模様)らが、過払い金返還を求める多重債務者を紹介した手数料も含まれていたからだ(なお、取り分を巡り近藤被告とエレメント社は訴訟になっていた)。
よりによって、そのエレメント社の広告に出演するとして、ガッツ石松(=冒頭写真)は05年4月、年間契約を締結。630万円を前払い金としてもらっていた。しかも昨年4月、ガッツ石松は出演に応じないとしてエレメント社に訴えられていた。
ただし、ガッツ石松の名誉のために断っておくと、彼はエレメント社が組長と組んで、多重債務者の斡旋で儲けているような会社とは知らなかったと思われる。