2月から東京地検特捜部が薬事法違反(誇大広告)容疑で製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京都港区)や、臨床試験に協力した各大学へ強制捜査に乗り出したこの事件、地検は押収した資料を分析しているが、この5月のGW明けからいよいよ関係者への事情聴取を始める模様だ。
こうしたなか、臨床試験を行った5校のなかで、降圧剤バルサルタン(商品名「ディオバン」)が他社の降圧剤に比べ血圧を下げるだけでなく、狭心症や脳梗塞のリスクも大きく下げるとの臨床結果を出し、最もノバ社のバルサルタン販売に貢献、すなわち、容疑が悪質かつ濃いと見られる「東京慈恵会医大」(東京都港区。栗原敏理事長=冒頭右写真)の関与につき、驚愕の真相が出て来る可能性もあるとする「告発文書」が登場、また証言する関係者が出て来ている。
慈恵医大の臨床試験担当責任者は望月正武教授(当時。冒頭左写真)だったが、現状、問題のデータ解析はノ社の担当者(現在は退社)に丸投げしていたとの見解で、不正への直接の関与は否定している。
ところが、ここに来て、丸投げどころか、逆に望月氏が主導してやったとの疑惑が出ているというのだ。