本紙では、先物会社のなかでも際立って問題が多く、また著名人(冒頭写真。この3月4日の浜田幸一元代議士の講演会チラシ)を広告塔に使い続けていることから、大手先物会社「コムテックス」(本社・大阪市)を何度も取り上げているが、今度は東証1部、マンション建設大手「長谷工コーポレーション」の関連会社だった「長谷工ファイナンス」元経理担当役員(56)の業務上横領事件に絡んで、コムテックスら6社が、元役員の破産管財人から総額5億4000万円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こされていたことがわかった。
元役員は00年から01年にかけて大豆やトウモロコシなどの先物取引に、会社から着服した約6億円のほとんどを注ぎ込んだものの、決算書類を改ざんして隠蔽。しかし、08年3月、長谷工コーポレーションに同社が吸収合併される際に発覚。昨年6月、逮捕されている(上告中。1、2審とも懲役6年の実刑判決)。
コムテックスに関しては、すでに7億円以上の浄土宗僧侶による横領事件で、その原因として同社での取引損失を取り戻すべく泥沼にはまった件が明らかになっている。また東証1部、スギ薬局を展開する「スギホールディングス」元経理担当部長の約5億6000万円の横領事件絡みでも、同社との関わりが指摘されている。
今回も、顧客の立場とその投資資金の巨額さを思えば、コムテックス側は犯罪の可能性を予見できたにも拘わらず、自社利益のために取引を続けさせた悪質なケースということで、あえて提訴に踏み切ったようだ。