アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<主張>民主・小沢代表秘書逮捕――検察を私物化した麻生政権の「国策捜査」

準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)から違法な献金を受け取っていたとして、東京地検特捜部が3月3日、民主党代表・小沢一郎代議士の公設第一秘書を逮捕したのはご存じの通り(冒頭写真「毎日」3月4日朝刊一面)。
これを受けて、小沢氏は4日午前、民主党本部で記者会見。「国策捜査」批判を展開した。これに対し、大手マスコミは軒並み、小沢氏の民主党代表辞任は当然と、批判的トーンで報道している。
だが、今回の逮捕が「国策捜査」であるのは明らかだ。
なぜなら、もし小沢氏が自民党議員、まして与党代表(=首相)なら100%、今回の逮捕はあり得ないからだ(ロッキード事件のような外圧のある場合は例外)。
そもそも、わが国の政治献金の受け取りと、その使い方に関してはいまも抜け穴が多く、政治献金を受けていない共産党議員を除いて、違法はことをやっていない議員など1人もいないといっていい。
しかも、小沢氏が主張したように、今回の逮捕容疑、すなわち、2つの政治団体から2100万円の献金を受けたが、実質、西松建設からの献金と認識していた政治資金規制法違反(虚偽記入。禁固5年以下)で秘書が逮捕された前例はまったくない。
それにも拘わらず、なぜ、この時期の逮捕なのか。
検察がいくら強力な捜査機関とはいえ、しょせんは権力の補完装置であり、逮捕の最終決断は麻生太郎首相(上左写真)の子飼いである森英介法相(上右写真。麻生派)が握っているのだから(具体的捜査について樋渡利秋検事総長=下写真=に「命令」できる指揮権発動権を持っている。だから過去、佐藤栄作首相が逮捕されそうになった際、これが行使され、逮捕が見送られた例がある)に委ねられている。
 そして、今回逮捕で、誰が利するかといえば、政権与党・自民党と麻生首相であることは明らか。「容疑があるから、捜査しているだけ」という主張は建前に過ぎない。
もし、麻生首相、そして自民党がその批判を受けたくないなら、総選挙後に逮捕を先延ばしすればいいだけの話。実際、過去の政治家絡みの捜査では、選挙に影響を与えない配慮が非常にされ、時期がズラされて来た。
逮捕が衆議院解散、総選挙前になったことにつき、03年分の献金の虚偽記載の時効が3月末に迫っていたからとの見方が出ているが、まったく説得力が無い。3月末を持ってすべてが時効になるというならまだしも、04年以降の分があるからやれる。それにそもそも2100万円という献金額は突出して多いわけでもないのだから。

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