アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<解説>検察と裁判所との「小沢一郎有罪」デキレースの暗黒システム

 資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された小沢一郎元民主党代表(69)の被告人質問は1月11日に終わった。これで実質的な審理は終了。3月に結審し、4月下旬に判決になる見通しだ。(冒頭写真=「日刊ゲンダイ」1月13日付記事)
当初、小沢氏は一審無罪判決を得た上で、政治的に大きく動くとの見方が優勢だった。だが、昨年末辺りから「小沢氏自身、有罪になる可能性は十分あると思っている」(関係者)とのことで、ならば判決前に一挙に動くとの見方が有力になっている。
この見方、関係者によれば、小沢氏本人が一番“黒”だと心のなかでわかっていて、だから、その通りになると危機感を持ってのことではない。簡単に言い切ってしまえば、「米国追従、官僚主導をいままで通り続けたい法務省=わが国政府にとり、小沢が権力を取ったら政治家主導で行かれるから都合が悪い。何が何でも有罪にしなければならない」からで、現在の司法システムは、恣意的にそうできるカラクリになっていると、小沢氏はここに来て強く認識するに至ったからだという。
これはいったい、どういうことなのか?
 日本国憲法は司法権の独立を謳っており、立法、行政(法務省や検察庁)、司法(最高裁判所を頂点とする裁判所)の3権は分立していることになっている。
例えば、小沢氏は本当は“白”だと思っているのに、行政(法務省)は“黒”判決を欲しており、その意を酌んだ判決を出さない裁判官は出世できない、左遷させられるようではまともな裁判は期待できないだろう。
一般国民は、この司法権の独立を守るため、裁判官の人事は、裁判官とは分けて、裁判所の事務方が少なくとも建前上は独立に公平にやっていると思っているのではないだろうか。
ところが、実際はといえば、「判検交流」を通じて判決を出す裁判所側と、起訴を決める検察側は事実上一体化しており、デキレースが可能になっている。毎年、40名前後の裁判官が法務省の訴訟部門や検察庁に出向している。
「検察庁も法務省からは独立したかたちを取っているが、結局は一体の関係。しかも組織的には検察庁は法務省の下部団体の位置づけながら、いまも検察庁から133名もの検事が法務省の要職に出向しており、逆に検察が法務省を牛耳っているのが事態ですよ」(ベテランの政治家)
ところで、裁判所において、裁判官の人事権も含めた司法行政権の実質、最高権力者は最高裁判所事務総長なるポスト。そのポストに就くのは事務方ではなく裁判官、それも裁判の実務だけでなく、最高裁判所事務総局の局付、課長などを長く経験したいわゆる「司法官僚」と呼ばれるキャリアの長い裁判官がなっているのは実情だ。
最高裁判所事務局次長や、各高等裁判所事務局長といった他の要職もそうだ。
例えば、現在、この最高裁判所事務総長の地位にある山崎敏充氏の前職は千葉地裁裁判長。その前の大谷剛彦氏は最高裁判所事務総局次長だった(ジャーナリスト・大谷昭宏氏の実弟)。

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