アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<新連載>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』(第32回)「田原総一朗のテレビドキュメントはお宝ものか」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 正月早々、深夜テレビで、田原総一朗の昔のテレビドキュメンタリーを放映するなんて番組があったので観たら、藤圭子(70年)と永田洋子(73年)を取り上げたドキュメンタリー。ただし丸々放映ではなく水道橋博士やらゲストを呼んでのトークなどが長くて、肝心な本編は少しだけなのが面白くない。というのも、田原の昔の作品が何本かDVDになって順次発売されるので、その宣伝も兼ねた番組だったわけだ。「遺言」だとか言ってるけど、まだ「お宝」はそれなりに残っていた。それにしても昔を知らない人たちは、「へえ?あの田原が、すごい?」なんて驚いているようだが、60年代後半から70年代半ばくらいの、テレビドキュメンタリーは今から思えば、前衛的でラジカルでゲリラ精神あふれるものが沢山あった。なかでも田原が東京12チャンネル時代に手がけた「ドキュメンタリー青春」をはじめとする数々の作品は、わしも高校~大学時代にかけてよく観てたもん。
今回観た藤圭子なんて、70年当時のトップアイドル、というかまさに「時代の女」だ。それを武田美由紀というリブ運動の闘士(のちに原一男監督の『極私的エロス恋歌1974』で有名になった)をインタビュアーにしているところがみそで、藤圭子のスターらしくない「素」が出ちゃって面白い。ついでに、反安保デモに参加するべ平連の若者や、警備中の機動隊員にも、藤圭子はどうだと聞くところも、いかにも田原のクサイ演出だ。

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