本紙スクープの通り、この疑惑、簡単にいえば、後に首相にまでなる安倍晋三氏と山口県下関市の地元安倍事務所が、特定危険指定暴力団「工藤会」にも通じる地元ブローカー=小山佐市氏(80。冒頭左写真)に選挙妨害を依頼、その見返りの実行を巡りトラブルになった結果、自宅に火炎ビンを投げ込まれたというものだ。
火炎ビンは車庫の車3台を全半焼させた以外にも自宅へもう1回、それに同じ市内の安倍事務所(自民党山口県第4選挙区支部)へ2回、さらに間違えて事務所近くの結婚式場施設へ1回の計5回(内4回は焼損せず)が罪に問われ、小山氏は非現住建造物等放火未遂と火炎ビン使用等の処罰に関する法律に問われた結果、懲役13年服役することになった。
そして、この5回の火炎ビン投下は選挙妨害があった99年4月から丸1年以上経った00年6月から8月のことだった。(横写真=「山口新聞」07年3月10日記事)
しかし、実際に小山氏らがやった行為はこれだけに止まらないようだ。
そして、そのことが、安倍支援者が根拠なくいっていた「拉致問題絡みで朝鮮総連にやられたのでは?」ではなく、まさに99年4月の下関市長選における選挙妨害の見返りを約束通り寄越せとのサインだったことを物語っている。
なぜなら、先の5回の火焔ビン投げ込みの間、それも6月中の約2週間の間に、まずは小山氏らが選挙妨害した古賀敬章氏らを破って下関市市長に再選された江島潔(現・自民党参議院議員。山口選挙区)の公用車のフロントガラスが粉々にされるという事件が起きていたからだ。