お年寄りに冷酷な「老齢加算廃止」を追認した福岡地裁判決

去る６月３日、福岡地方裁判所（裁判長・高野裕）は、「生活保護変更決定取消請求事件」（「生存権裁判」とも言われる）の判決を出した（左写真・判決を批判する「生存権裁判を支える東京連絡会」のビラ）。２００６年の老齢加算の廃止によって「健康で文化的な生活」ができなくなった、老齢加算の廃止は憲法違反だと高齢者たちが訴えた。これに対し、福岡地裁判決は、後で述べる理由で訴えを退けた。
同様の裁判は東京でもおこなわれてきたが、これも昨年６月２６日に原告の訴えを退ける判決が出ていた。
　　裁判の最大の争点は、厚生労働大臣が老齢加算を減額・廃止したことは違憲・適法なものといえるかどうかだった。したがって訴えられたのは厚生労働大臣となる。ちなみに、老齢加算の減額が始まったのは２００４年３月。第二次小泉内閣の時代であり、厚生労働大臣は坂口力氏（公明党出身・左写真）だった。廃止を決めたのは２００６年３月、第３次小泉内閣の川崎二郎氏（自民党出身）だった。要するに小泉「構造改革」のもとでの“弱者切り捨て”の表れといえるだろう。