「反“社会”的勢力」という言葉がある。
企業舎弟や、暴力団とコネのある連中が、暴力団の資金を、“危ない上場企業”などに注入し、暴力団に利益をもたらすような輩を意味し、事件化することもある。
こちらの用語は、市場はその排除を目指しているから、その関係者の間では誰もが知る。
そうではなく、それとは別に、「反“市場”的勢力」という用語が近年誕生し、特にIPO(株式上場)を目指す企業において、この勢力の資金が注入されていたら、どんなに業績が良くても上場を認可されないという。
では、どんな勢力を指すのか?
複数の市場関係者に聞くと、キチンとした定義はないが、「反社会的勢力でなくても、
過去に株式売買等で事件を起こしたり、そこまでいかなくても空増資、株価操縦、インサイダーなどの疑惑が出るなど、株式市場を荒し、その健全性を毀損するような輩」を指すようだ。
(冒頭写真=「朝日」91年6月25日)