本紙では昨年7月28日、「開催まで2年を切った東京五輪ーーサブトラック問題は大丈夫か? 渦巻く利権争い」というタイトル記事を報じている。(冒頭写真=8月2日の「MONEY VOICE」でも取り上げられていた)
それからさらに半年が経過。東京五輪までは残すところさらに1年半まで迫った。だが、本紙は1月30日、そのサブトラック建設予定地(仮設)である明治神宮外苑の軟式野球場を見て来た(下写真2点)が、未だ工事未着工どころか、とっくに入札が終わっているのに工事予定を示す看板さえ立っていなかった。
前回記事で予定として指摘しておいたが、昨年9月28日、オリンピックなど国際陸上競技連盟(IAAF)公認(クラス1)の陸上競技に必須のサブトラックの工事も含まれているという仮設オーバーレイ整備業務の入札は行われているのにだ。
何しろ、サブトラックが規定にあっているかどうかの事前検査など考慮すれば、開催1年前には完成してないといけないとの関係者の指摘もあるのだ。それならもう半年しか猶予はないが、先の関係者はこの手の工事には8カ月は要するとも。では、間に合わないではないか。むろん、サブトラックがなければ実質オリンピックは開催できない。それだけの問題なのに、このサブトラックの件を大手マスコミが取り上げないのもおかしな話だ。
しかも、「公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」のHPを覗くと、この入札結果が出たのはこの2月1日。なぜ、こんなに発表までに時間がかかったのか? 他の発表では入札から10日ほど、また契約金額を明らかにしているケースもあるが、こちらの場合は金額も公表していない。そして、明らかにされた契約者(落札者)は建設会社ではなく、意外とも思える電通100%のイベント専業子会社「電通ライブ」(ただし各種建設業の許可などは取っている)。
そんな状況のなか、ところが、例え工事が間に合わなくても心配には及ばないとの声も。いったい、どういうことなのか?