本紙は12年4月から13年7月にかけ、大阪府門真市の公共工事に絡んで地元の山口組弘道会系元幹部らが利益供与を受けていた疑惑などを20回に渡り報じた。これには大阪府警刑事(当時)の汚職疑惑もあり、また2つの冤罪の可能性の高い事件も大きく関係していた。
それ故、門真市は徹底して調査すべきだったが、市はまったくというほど調査をせず、問題なしと結論づけた。
このため、本紙は園部一成・門真市長(下写真。76)は暴力団「共生者」かとまで報じたものだが、本紙が睨んだ通り、今回、園部市長のダーティーさの一面がハッキリ表面化した。
2月16日の「毎日」夕刊が、園部市長が公職選挙法違反の可能性があると大きく報道(冒頭写真)。翌17日朝刊では、他の大手マスコミも一斉に続いた。
ただし、いずれも大阪版であり、また肝心の“動機”について触れていないので、本紙でその概略を述べると共に、その“動機”について解説しておく。
園部市長は2013年3月31日、お隣の守口市内の「ホテル・アゴーラ大阪守口」で自民党員や門真市民ら約200名を集め、会費3000円で、約8000円の洋食フルコースを振舞った。
表向きの主催は自民党門真支部(代表は園部市長の支援者)で、この宴席代の差額計約150万円は同支部が負担した。だが、1人3000円の会費領収書は園部市長が代表の自民党大阪府門真市第一支部が発行していた。そして、6月に門真市の市長選が控えており、園部市長は3選を目指していた。
当然ながら、もし差額の約150万円を園部市長が代表の第一支部が出していれば完全に公選法違反。しかし、門真支部も実質、園部市長の後援団体といってよく、いくら同宴会で「園部市長は選挙の話はしていない」、あくまで「(自民)党政拡大のためのものだった」といっても説得力に乏しく、公選法違反の可能性は高い。