指月電機製作所の当時の社長(大津清和氏)等に対する株主代表訴訟のなかで、安倍晋三官房長官、杉山敏隆「安晋会」代表などが役員に就いていたことがある「指月プランニング」なる会社は、以下のような箇所で登場する。
例えば、前回は大物事件屋K氏(故人)に止めていたが、これは古賀隆助氏(冒頭写真参照のこと。『フォーカス』1989年12月1日号。SSK特別背任事件で懲役3年の実刑)のことで、彼のかつての部下は、別件訴訟の陳述書でこう触れられている。
「平成13年1月中旬頃、配下のHが、古賀氏の指示で、(株)指月プランニングの普通預金通帳(あさひ銀行中目黒支店)を偽造したことがありました。
Hは、平成12年1月14日付であさひ銀行本店から同社の口座に30億円が振り込まれたように、同通帳にタイプライターを使って印字しました。
Hの話によると、当初は通帳偽造を拒否したものの、古賀氏から、『大津社長に見せるだけだから何も心配しないでやれ』と言われて、古賀氏に対する恐怖心からやむを得ず実行したということでした」
一方、古賀氏自身の、この別件訴訟における陳述書のなかでは、このように出て来る。
「大津氏としては、同氏の希望で同氏にお金が落ちるように指月プランニングの件が進んでいたことを打ち明けられました」
古賀氏が指月電機製作所に介入した背景には、指月プランニングの前身は前回述べたように、「光国際通信」という、当時、同社代表でもあった光永仁美「慧光塾」代表(故人)のお告げに従い株投資した結果、大津社長個人は20億円とも言われる巨額負債を抱え、その救済に光永氏と古賀氏が以前からの知り合い(古賀氏は糖尿病など患っていたが、光永氏の祈りのお陰で快方に向かっていたとして恩があったという)だった関係から乗り出したという事情があった。
その救済策として、古賀氏側が「点描」事業を援助するために指月電機製作所から出された資金の一部を、大津社長個人に流そうとし、そのための受け皿(ダミー)会社として指月プランニングが利用されたようなのだ。
そんな犯罪の疑惑濃厚なダミー会社役員に、安倍氏が就いていたわけだから、とんでもない話ではないか。