7月6日、福岡県警は、2012年4月に北九州市小倉南区で60代の元警部が銃撃され重傷を負った事件で、「工藤会」(本部・北九州市)トップで総裁の野村悟被告(68)を組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)と銃刀法違反(組織的拳銃等発射など)の両容疑で再逮捕した。
この元警部は暴力団対策、それも工藤会一筋のベテランだったことから事件直後から工藤会の関与が疑われていたところついに逮捕に漕ぎつけたわけで、「頂上作戦」を展開する福岡県警としては、この元警部をまさに悲劇のヒーローにしたいところだろう。
だが、本当に事はその思惑通りに進むのか?
というのも、自分たちが犯人と分かれば相手は警察だけにまさに組織ごと潰されかねない。それなのに、なぜ工藤会はよりによって警察にまで牙をむいたのか? この謎を追うと、まさに事実は小説より奇なり、仰天の重大疑惑が浮かび上がって来たのだ。
このH元警部が撃たれたのは出勤途中のこと。H元警部は福岡県警を11年3月に定年退職。そして翌4月、地元の大病院「小倉記念病院」(ベット数658。職員1285人。経営は「平成紫川会」)に天下りし警備の仕事にあたっていた(警備課長)。それから約1年後、銃撃されたのだった。
複数の関係者によれば、小倉記念病院はかなり前から福岡県警OBの天下りを受け入れていた。
そして、銃撃事件は同病院の新築工事と関係しているという。
H元警部が天下る前年、現在の病院建物(上写真)が完成し同病院は現在地に移転している。