「7年間、裁判を傍聴してきたが、これほどの屈辱は初めて」――こんな遺族の怒りの会見の様子が、TV等で大々的に流れたのは今年3月14日のことだった。
この日、山口県光市で1999年4月に発生した母子殺人事件の上告審弁論が開廷されるはずだった。そのため、遺族や関係者ははるばる山口県から上京、最高裁法廷にやって来ていた。ところが、被告(犯行時は未成年。24歳。1・2審は無期懲役判決)の弁護人である安田好弘氏等2人の弁護士が欠席したため、開廷できなかった。
遺族の怒りはわからないわけではない。
だが、この間の事情をよく検討すると、批判されるのはむしろ裁判所側ではないのか。