本紙がいち早く報じた東京都江東区のマンション建設における基礎くいの疑惑を、テレビ朝日が報じてくれたのは既報の通り。 問題の基礎くいは、イラストのように、何本もボルトで継ぎ足して使うタイプ。 ところが、その継ぎ目のボルトが欠落していたのだ。 それにも拘わらず、地中に埋められてしまった。 その指摘に対し、業者側は「くいを引き上げてボルトを締め直し、再度埋めた」と回答。だが、一度、地中でコンクリートで固めたくいを取り出すことなどできるものか? ビデオを見た専門家は、あり得ない話と解説。 そして、業者側も最後には非を認めた。江東区は警視庁への告発を検討中だという。 ●データを改ざんし、基礎くいの大臣認可をパス!? まったくとんでもない話ではないか。 1本でもボルトが欠落していると、大きな地震が起きた場合、当然ながら、そのもっとも弱い部分が折れ、結果、基礎くいの上にある家が傾いたり、最悪、横倒しになって倒壊することだってあり得るのだ。 だが、本紙にはもっと重大な基礎くいに関する内部告発が寄せられた。 基礎くいには多くの種類があり、それぞれ国土交通省大臣の認可を受けて使用している。 ところが、その認可における検査(圧力をかけて耐久度等を調べる)で、業者側が検査値データを改ざんし、認可を取っているというのだ。 これが事実なら、事件に発展した、東京都発注のディーゼル自動車向け排気ガス浄化装置を、データを改ざんして受注していた三井物産の件と同じではないか。 しかも、最悪の場合、地震で家屋が倒壊し、命の危険性まであること、一業者に止まらない、というのだから、その深刻度は浄化装置事件の比ではない。 追って、詳細を報道するつもりだ。…