本日、午後1時半より、神戸地裁101号法廷で、鹿砦社・松岡利康社長の名誉毀損に関する第2回公判が開廷される。今回は検察側の証人調べで2名、各々主尋問1時間、反対尋問30分が予定されている。 なお、未だに松岡社長は保釈となっておらず、公判終了後、再度、出される保釈申請が今度こそ認められるかも注目される。 以下は、その松岡社長本人が、支援者等に宛てたメッセージの全文。 第2回公判傍聴の皆様方への少し長いメッセージ 2005/12/19 鹿砦社 代表 松岡 利康 師走のあわただしいさなか、本日の公判に駆けつけていただき、本当にありがとうございました。 本日は「阪神事件」の告訴人2人の証拠調べですが、球団関係者がこうして法廷に立つということは稀有のことであり、屈指の人気球団の背後で起きたベテラン・スカウトの不審死の謎を究明する糸口になるものと信じています。 また、今日の言論弾圧事件にもっともらしい批評や報道をされたマス・メディアが、「マスコミ・タブー」といわれる阪神タイガース絡みの本日の公判について、どのような報道をされるのかも興味津々です。私たち鹿砦社の言論・出版活動のやり方を云々する前に、ジャーナリズム本来のきちんとした報道を望むものです。 さて、7月12日の逮捕から早5ヶ月が経ちました。本日の時点で、私はいまだ勾留されたままです。「名誉毀損罪」容疑で出版人の逮捕は29年前の「月刊ペン」事件にまで遡りますが、これでも勾留25日です。私たちは今、この「月刊ペン事件」について学習・検討していますが、あらためて今回の私や鹿砦社に対する言論弾圧事件が、エポック・メイキングなことだということが判ります。 ご存知の方もあるかと存じますが、「月刊ペン事件」は1審、2審敗訴、そして最高裁でよもやの大逆転で、この歴史的な判例は、その後の名誉毀損裁判の基準となっており、私たちもこれを元に今回の事件やこれまでの出版活動を検証しています。 大半のマスコミ・出版関係者には、今回の言論弾圧に対して、いわば「鹿砦社だから仕方がない」というような“見棄て感”があるとのことですが、むしろ問題なのは、私の逮捕や鹿砦社に対する大掛かりな言論弾圧が既成事実となって、今後常態化していくことの危険性、そしてこのことに無自覚なことにあるのではないでしょうか。 今回の弾圧で鹿砦社は、本社も支社も撤去を余儀なくされ、社員もほとんど散りました。わずかに、『紙の爆弾』編集長がひとり踏みとどまり、知人の出版社に身を寄せながら再起を準備しているところです。 この『紙の爆弾』は、「たとえ便所紙を使ってでも出し続けて欲しい」という私の強い意志を汲み、発行ペースを落としつつも、志ある執筆者や支援者、元社員らの協力で何とか維持されており、年明け1月7日にも新しい号が出る予定です。発行部数2万部、マス・メディアに比すればアリのような存在ながら、手前味噌ですが、<いかなる不当な圧力には屈しない!>という私たち鹿砦社の原点がここにあります(「鹿砦」という社名の由来もここに在ります)。 本件告訴人の1人は私に対して「蛇のようなしつこさ」と供述していますが、そう、私はしつこい男です。今は臥薪嘗胆の時期ですが、私も鹿砦社も、この「蛇のようなしつこさ」が必ず復活します。このままでは、死んでも死に切れません。 先日、私に支援を惜しまなかった門真市議・戸田ひさよし君が「政治資金規正法違反」容疑なる口実で不当逮捕されました。私と事件の性質は違いますが、共に不正や巨悪に対して闘う者として<反弾圧、反権力>の点で今後とも連帯していく決意です。戸田君、冷たい獄壁を熱い戦う意思で貫こうではないか!!戸田君の闘いにもご注目、ご支援を訴えたいと思います。 先日はさらに、「表現の自由」の問題で大きな不当判決もあり、上記戸田君不当逮捕と併せ落ち込む出来事が続きました。1審で無罪だった「立川反戦ビラ事件」の東京高裁逆転有罪判決です。これといい、私や鹿砦社に対する言論弾圧といい、もはや「表現の自由」ということを軽々しく口に出来る時代ではなくなりました。 「表現の自由」とは、坐して“守る”ことができるものではなく、叩きのめされても“闘い取る”ものだといえるでしょう。 こうしたことを想起するにつけ、マスコミ・出版関係者総体の“見棄て感”もあり一時は孤立感にさいなまれたことも正直ありましたが、私の闘いは、決して私だけのものではなく、わが身を捨てて闘うべきものだという確信に近いところに至りました。とは言え、私は決して大物でもなく、一介の弱い人間に過ぎませんから、日々気持ちの起伏もありました。これを皆様方のサポートにより、何とか自らに鞭打ち気持ちを取り直して、この5ヶ月余り独房で過ごしてきたというのが実情です。 本日3度目の保釈請求が出されます。この結果如何で、正月を「ひよどり台」の“別荘”で過ごすか自宅で迎えるのかが決まるわけですが、いずれにせよ、私はこれからも私らしく、この歴史的な裁判闘争に巡り会えた“幸運”を自覚し、皆様方と共に、愚直に最後まで貫徹することをお約束するものです。もし私が挫けそうになったら、ゲバ棒(古い!)でブンなぐっていただきたいと思います。 本年もあとわすが、皆様方、良い新年を迎えられますことを心からお祈り申し上げます。併せて、来年もご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。日々決戦!!!闘争勝利!! (今発売中の月刊「創」1月号に、現在の私の想いを書き綴っていますので、何卒御一読いただければ幸いです)。 「ファイト!闘う君の唄を 闘わない奴等が 笑うだろう ファイト!冷たい水の中を ふるえながら のぼってゆけ」(中島みゆき『ファイト』より)=上掲・アルバム『大吟醸』収録。…