『警察白書』によれば、暴力団の資金獲得に協力する一般人を「暴力団と共生する者」=「共生者」と呼ぶ。
この「共生者」という言葉を最初にメジャーにしたのは、NHKスペシャル『ヤクザマネー』ではないだろうか。
あれから早いもので、すでに5年近く経つが、この秋にその続編をやるべく、現在、取材中と聞く。
それはともかく、時の人、橋下徹「日本維新の会」代表と共著を出した相手は、暴力団のなかでも、当局がもっとも徹底捜査をやっている山口組の最大組織・弘道会の大幹部が東京で事務所を借りたりする場合、名義貸ししているというのだから、「共生者」と呼んでも異論はないだろう。
誤解のないように断っておくが、そんな人物と橋下氏が共著を出したのはむろん大阪知事になるよりは前だ。
とはいえ、共著を出した際、相手は、すでに「共生者」の関係にあったのだから、橋下氏は相手の正体は知らなかったのかも知れないが、それにしても余りに脇が甘過ぎる。それに、相手に頼まれて社会事業のために無償で引き受けたなんてわけではない。橋下氏がそんな玉でないことは明らかで、この本が出れば、弁護士の自分の仕事にもプラスになると思ったのだろう。いくら過去の話とはいえ、これはりっぱな汚点ではないか。
(冒頭写真=共著の対談ページより抜粋)