本紙は今年2月から、東証1部「住生活グループ」(東京都中央区)が親会社の、衛生陶器やユニットバス製造・販売大手「INAX」(本社・愛知県常滑市)に関する疑惑を何度も取り上げている。
こうしたなか、住生活グループは外部調査委員会を設けたが、まだ結果は出ていない。
そんな折、疑惑の中心である、INAX「上野緑工場」がある三重県伊賀市内のINAX取引先企業の不正を、10月31日の「朝日」(伊賀版。冒頭写真)が写真付きで大きく取り上げた。
INAXが賃借する倉庫が、長年、都市計画法に違反する違法倉庫だったという内容だ。そして、その倉庫を保有するのは、INAXとの癒着が指摘されている「金澤物流サービス」(伊賀市)なる運送会社。
それにしても、その悪質さは際立っている。「倉庫のある土地は92年3月末、市街化調整の線引き引き直しがあり、建築できない市街化調整区域になった。それまでは建設可能で、金澤物流はそれ以前に倉庫を3つ建てていた。その後、05年までに3つ違法に建設したことが発覚したが、なぜか放置され、おまけに08年に別会社が建設した“住宅”2棟を倉庫に転用しており、違反を繰り返していた。(横写真=金澤物流の本社・右と、倉庫)
それにも関わらず、県の指導に対し、金澤物流の金澤満彦社長は“8つの倉庫すべて線引き引き直し前に建てた”などと虚偽の主張までしていた」(関係者)