川上八巳氏(44)といえば、ヘラクレス上場のIT系企業「ビーマップ」(東京都文京区)の株価操縦容疑(証取法違反)で、この9月、懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金2億4533万2500円の有罪判決を受けた御仁であることは本紙でも既報の通り。
もっとも、事件にこそ問われなかったが、このビーマップ株を買い占めたことから、株価操縦しようとしたわけで、その買い占め原資は、やはり当時は上場(マザーズ)していた別のIT系企業「アイ・シー・エフ」(現オーベン)株を同じく株価操縦することで儲けたものと思われる。
しかも、川上氏のオーベンに関する疑惑はこれだけに止まらない。
オーベンはマカオの不動産へ巨額の資金を投じ、焦げ付いており、これにも川上氏は深く関与していた疑惑がある。
株主が直に訴えるのは、現「オーベン」(東京都渋谷区)の上野智司社長、佐藤克元社長らと思われるが、株主の一番の狙いは、審尋を通じ、川上氏、それに同じく「外部関係者」ながらマカオ投資、そのカネの流れに深く関与していたとする3名と併せ、その闇に消えた資金の行方をあぶり出すことだという。
また、並行して、このオーベンのマカオ投資に関係していた、別の元上場企業トップに対する株主代表訴訟も提起するという。(以下に旧アイ・シー・エフの06年6月5日の「戦略会議」関連内部文書転載)
(冒頭写真=関連文献。「金融ビジネス」07年winter号と、第三章「アイ・シー・エフの闇」=書籍『脱法企業 闇の連鎖』講談社+α文庫)