本紙は今年4月4日の記事を手始めに、収益ビル・マンションの仕入れ販売を手掛ける「アルデプロ」(8925。東証2部。東京都新宿区)並びに同社創業者で元社長、筆頭株主である秋元竜弥氏(冒頭右写真)、それに椎塚裕一社長(冒頭左写真)の抱える問題、疑惑などにつき6度に渡り具体的に取り上げて来た。
そうしたところ、人事異動があり、ついに椎塚社長が代表権を持たない取締役COOに退いたのは前回記事でお伝えした通り。
しかしながら、その椎塚氏とコンビを組み、この間、実質、同社を牛耳って来た秋元氏は今も筆頭株主として大きな影響力を持っていることに変わりはない。
というわけで、また追加で新たな動きをお伝えするのだが、その前に、大手信用調査会社「東京商工リサーチ」が11月9日、実に興味深い記事を配信しているので紹介すると共に、解説しておく。
「ネット融資仲介『maneo』の組成ファンドが返済を延滞、元本割れの恐れも」というタイトル記事のことで、近年、新たな資金調達方法として注目を集めているソーシャルレンディングの大手「maneo」が11月1日、3件の延滞発生を明らかにしたが(具体的な借り手の社名等は伏せている)、その1つはアルデプロが絡んだものだとして分析している。
本紙が「『アルデプロ』秋元・椎塚コンビの重大疑惑(2)」、「同(3)」のタイトル記事のなかで報じた、アルデプロがそもそもは保有していたが、次に「住宅相談室」→再びアルデプロ→「如月マネジメント」、そして現在は「TT」が所有している神奈川県川崎市内の不動産(下写真)を担保に、maneoの関連会社「UBIfinance」(現リクレ)が如月マネジメント(商工リサーチ記事ではA社)に19億2000万円の根抵当権を設定した分がこげつく可能性があるという。
本紙がこの物件に注目したのは、如月マネジメント(A社)が金銭消費貸借契約の公正証書を巻く際、椎塚社長(当時)がその立会人として捺印していることなどから、如月マネジメント(A社)はアルデプロの息がかかったダミー会社で、業績をよく見せ株価を上げるために、売却されたように見せかけているのではないかとの疑惑を抱いているからだ。
さすがに商工リサーチ記事ではそこまで言及していないが、アルデプロの関係者に取材したところ、A社について、「当社(アルデプロ)とは一切関係ない、取引先の1社に過ぎない」と答えたとわざわざ記していること自体が、商工リサーチも本紙と同様の疑惑を抱いていることを伺わせる。
何しろ、A社はそもそもはアルデプロが購入した「レオパレス21」物件を多く所有し、それを担保に同じくリクレから資金調達しているともいう。ということは、さらに新たな延滞発生が……。
また、同記事によれば、融資は担保不動産の評価額の75%に止めているにも拘わらず、川崎物件では担保不動産を売却しても元本割れの事態もあり得るというのは驚き。
アルデプロ側が言葉巧みに高い評価を信じ込ませたのか? それともmaneo側も薄々はわかっていて……(同記事では川崎物件の現所有者TTは「(maneo)グループ企業ではない」とのコメントを載せているが、本紙はmaneoのオーナー会社と見ている)。