アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

足利市産廃不法投棄事件ーーついに出てしまった、初の不法投棄産廃“毒”による犠牲者

 本紙で何度も取り上げている、「産廃マフィア」と栃木県など地元行政が結託し、事実を隠蔽しているとしか思えないこの事件で、ついに初の犠牲者が出てしまったようだ。
会社ごと、産廃を不法投棄された栃木県足利市の採石場を乗っ取られ、その後、裁判を経て所有権を取り戻した「冨宇賀建材」の冨宇賀利行代表(71)の妻=冨宇賀イキ子さんがその人(下写真。冒頭写真は葬儀風景)。
 亡くなったのは4月24日午前6時20分。享年71歳。東京都内の救急病院においてだった。死因は多臓器不全。
冨宇賀代表は、取り戻した採石場は汚染されていないという栃木県を始めとする行政に疑問を感じ、06年11月、07年2月の2度、計8日間に渡って現場に入って地下に埋まっていると思われる産廃物を一部掘り出し、成分分析を行っている。
そして、妻はその現場に毎日、昼食を届け、現場に1・5?2時間ほど滞在していた。
冨宇賀代表は、無念さのなか、声を振り絞りこう証言する。
「その時に産廃から出た毒ガスを吸ったのが原因としか思えない。元々肝臓が良くなかった関係で、一番最初の犠牲になってしまったのでしょう。
 一緒に現場(横写真)に入った仲間同様、おっ母も、体中が痒くなり、湿疹ができる症状が出ていた。また、死の1年半ぐらい前、道を歩いていて突如、意識を失って道路にそのまま倒れ全身打撲で1カ月入院したこともありました(他の仲間の一人も、車を運転中、意識不明になったケースも)。今年3月にはこれまで出ても小さかった湿疹が大きくなり、それまでは私がマッサージしてやると消えていたのに消えない。そして4月13日、異様に多量の汗を噴き出し、翌々日、病院に連れて入った時にはもう手遅れで、意識が戻らぬまま9日目に亡くなったんです。
医者はあくまで個人的見解と断りながらも、“高血圧でもないし、肝臓もずいぶん改善し、これという病気もなかったはずなのに、鼻や口から突如、多量の血を吐いて死ぬなんて考えられない。冨宇賀さんが前からいっていたように、確かに産廃の毒ガスのせいかも知れない”といいました」

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧