3月26日午後9時過ぎ、海上の北朝鮮との軍事境界線近くを進んでいた韓国海軍哨戒艦「天安」(冒頭写真)が沈没、104名の乗務員のうち46名が亡くなった。
それから2カ月近く経った5月20日、国際軍民合同調査団は、この沈没は北朝鮮の魚雷攻撃によるものとの報告書を提出。わが国大手マスコミもこれを報じ、これがわが国においてはすでに「真実」になっている。
過去を振り返れば、115名の死者を出した大韓航空機爆破事件(1987年)、閣僚を含む韓国人高官ら17名が死亡したラングーン事件(83年)のケースもあり、北朝鮮はテロを厭わない国であることは事実。今回もその可能性を否定するものではない。
だが、真相はさまざまな情報を総合的に判断して導かれるもので、韓国や米国でも報道された「米軍誤爆説」が最初からわが国では微塵も報道されず、また官邸にもその情報が上がっていないのは異常であり、問題だろう。
しかも、この誤爆説、ネット上だけで出回っている「陰謀論」と一笑に伏すことはできない。事故の翌日、韓国のマスコミはその説を一斉に報じたし、韓国の有力TV「KBS」は4月7日夜9時のニュースで、その証拠として米軍ヘリコプターが沈没海域で何らかの“物体”を引き揚げている映像を報じた(上写真=その映像と思われる。ただし、その後、韓国政府はKBSを名誉毀損で告訴。その映像、記事はすべて削除されている)。