ご存知のように10月16日、警視庁捜査2課が逮捕に乗り出しようやく事件化した、大手住宅メーカー「積水ハウス」(1928。東証1部。大阪市北区)が東京・西五反田の土地取引を巡って約55億円騙し取られた事件――これを受け、10月25日発売の『週刊新潮』には、「『地面師マネー』に汚染された警視庁の『黒い警視』!?」とのタイトルで5頁の特集記事が掲載された。
記事を見てみると、何と逮捕前日の10月15日、主犯の土井淑雄(63)に、明日、着手の可能性があるとの電話が知り合いの警官から入ったことから、土井は逃亡できたと断定している。
本紙では前回関連記事で「D」に止めていたのが土井のことだ。
しかもこの土井、企業舎弟にも拘わらず、この情報を漏らした刑事は3~40万円の小遣いをもらい、土井とズブズブの関係だった「警視X」の可能性が高いとまで報じているのだ。
同日発売の『週刊文春』も、4頁特集のタイトルは「地面師14人『闇の履歴書』と“黒い警官”」で、やはり着手前夜に土井に連絡を入れた警官がいたとの警察関係者のコメントを紹介している。
事に地面師詐欺事件は、容疑者の各々が善意の第三者を主張することから、一斉に関係者を逮捕しなければ公判維持は難しいそうだ。ところが、主犯級の土井とカミンスカス(旧姓小山)操 の2人に逃亡されたことから警視庁にとっては失態と言わざるを得ないとも。
もっとも、両誌ともなぜか、こうした失態を招いた元凶と思われる“黒い警官”の名前を伏せているだけでなく、そもそもまともに当人に問い質した形跡もなく、端から腰砕け状態のようにも見える。
そこで、本紙なりにその警官の正体を探ってみた。