本紙は昨年7月、同8月と2度に渡り、「組事務所立ち退きに3000万円!?――中堅建売業者に利益供与疑惑」なるタイトル記事を報じている。
昨年6月、東京は新宿区歌舞伎町にほど近い百人町に14階建ての分譲ワンルームマンション(冒頭写真)がオープンした。
これは埼玉県内に本社を置き、上場も視野に入れている中堅建売業者A社が土地を購入、建設・分譲したものだが、同土地購入に当たり、裏ですぐ横の組事務所に“利益供与”し立ち退くことで話をつけながら、前所有者にはその事実を秘し、横に組事務所があるということで値段を下げて売らせ、結果、利益供与額と土地ダンピングの差額、最大4億5000万円近くも得をしたという疑惑だ。
本紙の取材に対し、A社は文書回答して来たものの、「利益供与の事実はないから取材に応じない」というもので、例えば、本紙はこの件で警察に事情聴取を受けた者から、ある者が事務所立ち退きの話を持ちかけ、A社からカネが出たことを裏づける“証拠文書”まで入手しているのだが、そうした具体的質問にA社は何ら答えておらず、実質、取材拒否といってもいいものだった。
その後、まさにこの件で、訴訟提起されていたことが判明したので報告する。