前回はヤマゲン証券を取り上げたが、「仕手筋ご用達証券」として、新たな証券会社が噂になって来ている。
ここでは社名は伏せるが、最近、やはり金融庁より行政処分を受けているところだ。
証券会社の財務の健全性は粉飾でない限り、自己資本比率を見ればわかる。自己資本比率が低いと信用取引での融資を日本証券金融に頼るため、金利収入がない。しかし、自己資本比率が高いと、信用買い代金は自社で融資するため、金利は丸々収入(金融収支)となる。この差は大きい。
大手は系列ファイナンス会社などもあり、一概には言えないが、中堅以下では300%以下なら日本証券金融頼み、600%あれば自己融資できるといわれている。自己資本比率が1000%ともなると信用での融資金利が丸々利益になるのでメリットは大きい。
話がそれたが、噂になっている「新仕手筋ご用達証券」は今年9月末の自己資本比率がわずか139.8%。140%を下回ると内閣総理大臣に届け出る義務が生じる。120%割れで業務改善命令、100%割れで3カ月以内の業務停止となる。