東京都の産業廃棄物不法投棄担当部署の中堅幹部につき、異常としか思えない行動が浮上している。
東京都は今年2月24・25日、埼玉県の同担当職員らと共に、埼玉県川口市の「N商店」使用倉庫に立ち入り検査を行った。
そして“積替え保管”の許可を得ていない産業廃棄物処理法(14条の2第1項)違反などの行為があると指摘した。
積替保管とは、産業廃棄物として収集したものに売却可能なものが混在していた場合、それを分別するため、中間処理場以外の場所に搬送して積替え、保管する行為をいう。そしてその場合、従来の積替え保管を含まない産廃収集運搬業の許可について、積替え保管を含む許可に変更しないといけないとされている。
もっともN商店側は、今回問題とされている「イス、OA機器、小型家電、オートバイ、消火器、コンデンサー」などは廃棄物として収集したものではなく、引越しなどの際に捨てていく売却可能な有価物として引き取ったもの(無料)で、それは捨てるのではなく転売するものだから積替え保管に当たらないと反論している。
ただし、古紙、くず鉄、空き瓶、古繊維の4種を専門に扱う場合は許可不要ながら、その他の家電などに関しては問題ないとの専門家もいるものの法律上は許可がいるとされるから、都側の言い分は当然ともいえる。ただし、不法投棄などのような違法性の高い行為ではないし、過去、それだけを持って産業収集運搬業の許可が取り消された事例もないようだ。
おまけに、調査中に一職員が“結論”(?)を口に出すことなど本来あり得ないが、立ち入り検査した25日晩、検査に参加していた都の中堅幹部A氏はN商店本店に出向き、同店職員に向かい、「当然、取り消しだ!」と告げ、その後もこうした異常行動を取り続けているという。
「3月31日に聴聞を行うとして、わざわざその通知書をAがN商店に直に届けているのもおかしい。4月1日で人事異動があります。どうしてもその前に聴聞したい。その通知は1週間前までにしなければならず、郵送では間に合わないためそうしたとしか思えない。それに現場は埼玉県。率先してやるとすればそれは埼玉県の担当部署で、そもそもその点からして不可解」(関係者)
取材してみると、この背景には、反社勢力も絡む、かつてゴルフ場予定地だった土地(冒頭写真)の利権を巡る争いが関係しているようなのだ。