今年7月、大阪で、生コン関連の労働組合と中小零細の生コン製造業者が手を組み、一斉にストライキに入った。一時、大阪市内の建設現場で9割の建築がストップしたといわれるほど。なかでも、2013年の完成を目指す大阪駅北側の梅田北ヤードの建設(上写真。総面積約24ヘクタールの大規模再開発で、2020年竣工予定)が一時的にストップする事態となったのは象徴的だ。
生コン業者と労働組合は、竹中工務店(大阪市中央区)など大手ゼネコンを相手に生コン価格の引き上げを求め、生コンの出荷を停止。集団交渉の場で、生コン1立方メートルあたり14800円から18000円への値上げを要求した。交渉が進むにつれ、10月までにほとんどのゼネコンが価格引き上げに応じており、そうした現場には出荷が再開された。
こうしたなか9月、大規模工事を抱える竹中工務店だけが値上げに応じず、ストライキ交渉者以外の業者と提携して工事の再開を狙った。しかし生コン業者だけでなく、セメントの輸送や生コンの圧送に関わる業者たちもストに加わり“竹中包囲網”が敷かれるなかで、竹中側が「敗れ去った」(労組関係者)と言われている(上写真はストライキ中の労組員)。
現在、集団交渉は詰めの段階を迎えており、11月17日の交渉が節目となると見られる。