2012年春の開業をめざして建設中のスカイツリーが注目を集めているが、そのお膝元の東京都墨田区界隈で、去る10月3日、大量の空き缶を台車やリヤカーに積んだデモ行進が沿道の注目を集めた。先頭の横断幕には、「アルミ缶、新聞集めは仲間の仕事」「スカイツリー再開発で貧乏人の仕事を奪うな」とある。
墨田区ではこの10月1日から、改正「廃棄物の減量及び処理に関する条例」(通称、資源持ち去り禁止条例)を施行した。空き缶や新聞などの資源を特定業者以外の者が持ち去ることを禁止。違反した者を警察に告発
し、20万円以下の罰金を課す。このことに、資源回収で生計を得ている野宿者が危機感を持っておこなったのが冒頭のデモ行進だ。
同日、言問橋近くの公園で行われた集会では、アルミ缶や古紙回収で生計を立ててきた当事者が発言した。「区役所の職員から写真を撮られ、尋問されたりしたことは人権侵害だ。生きるための缶集めを止めるわけにはいかない。あくまで抵抗する」。
なぜ今、資源持ち去りにあえて罰則を設けるのか。本紙は墨田区リサイクル清掃課に電話取材した。